わんぱく捕物帖
 取調官はかあちゃん。
かあちゃんは我が家の「おきて」そのものである。

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No.100 まろの夏休み2001 げろりんぱ事件補足 2001/8/11 被告人:ばあちゃん
  
夏休み中、福島で吐きまくったまろのことは、No94に書いた。
うち、印象的であったことを思い出した。
あれは、到着して車から降り、数分後のこと。パトロール中のまろが興味を示したものがあった。見れば母ちゃんも普段は見慣れないものが8畳の座敷にどでんと鎮座している。それは。
クジャクの羽。(!)
それも一本や二本ではない。あの、クジャク氏の尻に付いたあの羽が扇形に広げられて飾ってあった。ばあちゃんに聞けば、親戚にいたクジャクが死んだので、置物に作り替えられたものをもらったらしい。また変なものもらって〜。頼む、ばあさんよ。
雑談を終え、さあ、布団でも敷くか、と8畳間に布団を広げかけた父ちゃんが悲鳴を上げる。「まろのヤツ、ついて一時間もしないうちに吐きやがった!」ああ、まろのゲロには虹色に輝く羽のかけらが。既にクジャクを食したらしい。(--;)
自分の家だから、何をしてもいい、何をおいてもいいのか、母よ。わしゃ、クジャクと同じ部屋で寝たくはないぞ。っていうか〜。センス悪すぎだって。居間にあるムササビの剥製もどうにかしろって。
 
判決:ローンを払うのはばあちゃん達だから何も言うまい。
  

No.99 またも爪とぎ事件 2001/8/17 被告人:まろ
  
お疲れさまでした、福島から戻って参りました。
まろはやはりぐったりお疲れ。ご苦労だったね。今日はみんな早く寝よう。
福島の夜は涼しくていくらでも寝られたが、東京の小さいアパートはムシムシSoHot!そうもいかない。でも、だからかどうかは別問題。
夜中に「ぱりっ!ぱりっ!ぱりっ!」と元気のいい爪とぎの音が響く。
ぐわっ!そうだ、あれをしまって寝るのを忘れた!!(><)跳び起きて、あれを押入に突っ込み、またぐーぐー寝る。
 「あれ」とは、母ちゃんの持ち物で一番高いぐっちのボストンバッグ。まろはこのバッグで爪を研ぐのがだ〜い好きなのだ。(激怒)

が、父ちゃんの証言によると、母ちゃんはまろをゲンコツでごちんとやった後、だっこして仲良く一緒に寝たそうだ。(母ちゃんは夜中に起きることの記憶はいっさいない)
「だからおまえはまろに舐められるんだ」とは父ちゃん談。←スポ根系の男
 
判決:有罪。今度やったら三味線にしてやる。
    

No.98 ジョン脱走事件 2001/8/16 被告人:ジョン
  
実家のジョンは犬である。明らかな田舎人間のじいちゃんとばあちゃんは、ジョンは大好きだがめったに散歩をしてやらない。鎖は長いので、ま、ある程度自由には歩けるのだが、それにしてもかわいそう。散歩好きな母ちゃんは年に数回しか戻らない。母ちゃんの弟ひろくんも誰よりもジョンが好きだが、これまた仕事の関係であまり実家にはいない。だから、たまにしか帰らなくても、ジョンは母ちゃんの顔を見ると「奥さん、よく帰ってきてくださった」と大歓迎してくれる。
さて、今日は東京に戻る日なので、暑いけれども真っ昼間から散歩に出かける。父ちゃんとまやちゃんもお供をする。
意気揚々と母ちゃんを引いていたジョンだが、突然ぶんっと頭を振った。その拍子に首輪がすぽんと抜けた。ジョンは、弾けるように逃げていく。父ちゃんが叫ぶ。
「ばか!早く捕まえろ!」
え〜、どうせ自分で帰ってくるのになあ。仕方なく走ってジョンを追いかける。でも、近づくとついっと逃げてしまう。真夏のゆらゆらと陽炎の立つ農道を逃げていくジョンのしっぽ。まるで映画みたいだった。きれいだな〜、ジョンは幸せなのかな〜なんてぼーっと考えていると、あれよあれよという間に小さくなってしまった。仕方なく家に戻る。父ちゃんに
「捕まらなかった...」
と言うと
「当たり前だ、犬の足に追いつくはずがないだろ。」
おいおい、君が追えと言ったんだろが。むきー。
まもなくじいちゃんが、帰ってきたジョンを捕まえた。
父ちゃんがまたしても
「今絞めておかないとおまえはまた舐められる」
とけしかける。言うことを聞かないと後でうるさいので、ポーズでジョンに
「なんで逃げんのさ〜」
と恨み言を言う。するとごめんねとでも言うように甘がみ。「ダメだよジョン!」とパンチしてるとこをじいちゃんに見られた。すると今度はじいちゃんが
「おい、くま吉、そんなことすると犬は恨みを忘れんぞ」
うひ〜ん。わしはどうしたらよいのでしょう。(^^;)
 
判決:有罪。今度は倍散歩してやるから逃げないこと。
    

No.97 まろの夏休み2001 だっこ事件 2001/8/15 被告人:まろ
  
まろは、ここ数回、福島では「借りてきた猫」になる。2度目の帰省の際、大暴れをして、恐怖の館に変えた(No25参照)記憶が家族にはあるため、「んま〜、まろちゃんおとなしくなっちゃって」と評判は上々である。
ちびっ子軍団のまやちゃん(3歳)はまだ小さいので手加減を知らず、まろにとっては驚異だが、あやなちゃん(8歳)とは結構仲良くやっている。二人は母ちゃんの妹えみちゃんの子供だが、えみちゃん一家がさあ寝ようと2階に上がると、必ず後ろをついて上っていく。で、まやちゃんのキーキー声に参って逃げ帰ってくる。これを繰り返していた。
お正月に福島に預けられた時には、えみちゃんの布団に潜って脇の下で寝たが、えみちゃんが触ろうとすると「シャーッ」とやってひんしゅくを買ったりもしている。
そんなまろが姿を消した。あれ?さっき、あやなちゃんの後を追って2階に上がったが、一緒にいるのか?すると2階から
「くま吉ちゃ〜ん!ちょっときて〜」「ママー、ちょっときて〜」
とあやなちゃんの声が。えみちゃんが「用があるなら自分でこい(--#)」とムッとしながら上がっていった。
しばらくして降りてきたえみちゃんに、父ちゃんと母ちゃんは驚いた。なんと、えみちゃんの腕にはまろが抱かれている!えみちゃん本人も戸惑い顔で
「あやなが『まろちゃんを連れてって』って言うから手を伸ばしたら抱かせてくれたの」
物心付いてから、まろが誰かに抱かれるのは初めてだ。ああ、やっぱりこうして男の子は大人になっていくのね。(いくのか?)
判決:あっぱれ!今日のご飯はネコ缶!
  

No.96 まろの夏休み2001 滝事件 2001/8/14 被告人:まろ
  
ここいらで母ちゃんの母ちゃん=ばあちゃんについて紹介しよう。ばあちゃんは、寝たきりの大きいばあちゃんの介護と、めいちゃん(4ヶ月)のお守りが仕事だ。お盆中はあやなちゃん(8歳)とまやちゃん(3歳)の二人もママのえみちゃんから押しつけられて0歳から91歳までの4人のお守り中。好きなものはお花と子供。土地だけは広い母ちゃんの実家を花で埋め尽くす花咲ばーさんだ。造花も大好きだ。10を聞いて3しか理解できないが、3しか聞いていないことを10にして話すのが特技。辛い人生を生きてきた割にはお気楽で懲りない、(おおらかな心で言えば)ある意味愛すべき人間である。
さて。福島には、藤の引き出しがある。まろは、いくら言ってもこれで爪を研ぐ。
この晩もまろは腰を入れてばりっ、ばりっと爪とぎを始めた。
「くぉら〜〜〜〜っ!」母ちゃんの鉄拳が飛びかけたその瞬間。まろは滝責めにあう。なんと、引き出しの上に飾ってあった造花をさした花瓶が倒れ、水がこぼれてきたのだ。しかし、なぜ造花なのに水が?一同の脳裏に「?」マークが浮かんだ。その時、ばあちゃん。
「ああ、ごめんごめん、軽くて倒れちゃうから、重し代わりに水を入れてあったのよ〜。まろちゃん、濡れなかった?」
ああ、さもありなん。ばあちゃんとはそういう人物なのだ。一同再び唖然。
ま、被害はほとんどなく、まろもこれで「ここで爪を研ぐとろくな事がない」とわかったはず(多分)。いい経験になったことだろう。
判決:これで更正してくれればラッキー。ばあちゃん恐るべし。
  

No.95 まろの夏休み2001 花火事件 2001/8/15 被告人:まろ
  
田舎では14、15日は盆踊りが開催される。
ちびっ子達は、夕方からゆかたを着せてもらって大はしゃぎである。ああ、まろも人混みが好きだったら、甚平でも着せて一緒に見せてあげるのに。仕方ないので人間の子供だけ連れて盆踊りを眺め、かき氷を食べ、ヨーヨーをもらって帰る。帰ったら帰ったで、恒例の花火をする。あやなちゃんはともかく、まやちゃんは途中で寝てしまった。まやちゃんを預かった母ちゃんは後悔する。だって3歳なのに17kgもある巨大児なんだもん。抱いてもしゃがんでも背負っても重い(翌日はしっかりと筋肉痛)。父ちゃんは子供達以上に花火に夢中で大ハッスル。ようやくお開きにして、玄関に入る。
「ほら、あやなちゃん、早く入って戸を閉めなさい、虫が入るよ!」
「じいちゃん、ろうそくもってきて!」
がやがやわらわらと家族が玄関に入っていく。
あれ?なぜかその中にまろが。なぜみんなと一緒に入っていくのだ?まろは箱入り室内猫では?
いつの間に外に出たのか誰もわからない。まさか、こっそり一人で盆踊りを見て、花火を眺めていたのか?言ってくれたら一緒に行ったのに〜。
一人旅を終え、鼻の頭を真っ黒にしたまろは、心なしか得意げだった。その後あやなちゃんとお風呂に入っていると、まろもやってきてごきゅごきゅとお湯を飲んで行った。
 
判決:男の子はこうして大人になっていくのね。(いくのか?)
  

No.94 まろの夏休み2001 げろりんぱ事件 2001/8/11〜16 被告人:まろ
  
今年もどこへも行けない我が家は、福島の母ちゃんの実家に里帰りだ。
トイレを積んで、まろを積んでさあレッツゴー。
福島では母ちゃんの姪のあやなちゃん(8歳)、まやちゃん(3歳)、めいちゃん(4ヶ月)がまろのお出ましを待っている。この子達のママは仕事があるため、夏休みを口実にばあちゃんに預けられて退屈している。
涼しい福島は、ホントによく眠れる。朝になると、ごーごー寝る母ちゃんを、ちびっ子軍団が起こしにくる。
「くま吉ちゃ〜ん。まろちゃんがね、ゲロ吐いてるよ〜」。
なんですと?うへ〜。畳に茶色いゲロをたっぷりと。あちゃ〜。ばあちゃんが起きる前に、こっそり処理するが、これが噂の畳ゲロ。落ちないってばさ〜。中身を検証、原因は造花の葉っぱらしい。
かれこれ、まろは滞在中に4回吐いた。原因を片づけても片づけてもちゃんと見つけだして食うまろには脱帽...。
 
判決:気疲れもあるのであろう。情状酌量.。
  

No.93 体育会系事件 2001/8/11 被告人:まろ
  
さあ、今日から母ちゃんの実家に帰省だ。
まずは、横須賀の家に寄って、いろいろ持ち帰らねばならないものを車に詰め込む。
暑い日だったので、まろを少しの時間でも家に入れよう、と父ちゃんがまろを迎えに行った。いつも我が家ではこの手の情けが仇になる場合が多い。
車のドアを開けたとたんに、まろは脱兎のごとく逃げだした。一階の自分ちには目もくれずに階段を駆け上っていく。
追う父ちゃん。逃げるまろ。2階。3階。そしてとうとう5階。
運悪く、ドアを開け放していた5階のお宅。まろは何のためらいもなくそのお宅に飛び込んだ。
「きゃ〜〜〜※!☆×」
奥さんの悲鳴で、父ちゃんはまろの逃げ場を知ることとなった。「ああびっくりしたわ」と奥さんはまんざらでもなかったようだが、父ちゃんは米つきバッタのように謝って逃げ帰ってきた。
猫嫌いのお年寄りなんかがいなくてよかった。下手すりゃ殺人だって。(^^;) 父ちゃんも普段走らないのにいきなり5階まで駆け上がったのだからたまらない。ぶりぶりに怒るのであった。
 
判決:有罪。今後はチャイルドシートにくくりつけます。
父ちゃんのマッサージも命ずる。
    

No.92 押入事件 2001/8/5 被告人:まろ
  
久しぶりに、まろの「押入ブーム」が始まった。がっかり....
夜中にがたがたと押入の戸をこじ開け、中に入って、まったりとする。これが楽しいらしい。まあ、いいか。と鷹揚な母ちゃんの心が仇となった。
まろは、鞄のたぐいが大好きなのだが、まさか押入の中で鞄と戯れていたとは...
まだ一回しか使っていなかったクレージュのバッグは、哀れつぶされてぺしゃんこになっていた。しわのできたバッグって...。見たことあります?(涙)
 
判決:有罪。ぐっちのバッグを弁償すること。
    

No.91 聖戦士事件 2001/7/24 被告人:ゴキ
  
母ちゃんは晩ご飯を作っていた。
父ちゃんはビールをかっくらい、まろはおつまみのおこぼれを待ち父ちゃんの傍らから一時も離れない。
「ぶんっ!」
という音がした時である。ぎゃあああああああっ?※!×▲◎
なんと、母ちゃんの腕に飛んできたのはゴキブリ君である。
田舎育ちで虫好きの母ちゃんであるが、さすがにゴキブリ君が素肌にやってくるのは我慢ならない。
.........と。その瞬間、父ちゃんが「何事だ」とやってきたのは、まあ、妥当。妻が大事なら、ここで来ないと大変なことになる。
感動したのは、まろもすっ飛んできたことだ。
父ちゃんの剣幕で床に落ちたゴキブリ君は、あわてて逃げ始めたが、まろと父ちゃんが先を争って成敗してしまった。哀れゴキブリ君。合掌。
それにしても、まろってなんていい子なの〜〜。「俺に任せろ俺に任せろ」というその姿勢は、ただの出しゃばりかと思ってたけど、私のナイトなのね。ぐふ
 
判決:もうやってくるな。被疑者死亡のため不起訴。
    

No.90 お姉ちゃん事件 2001/7/11 被告人:まろ
  
ネコアレルギーのお姉ちゃんが帰ってきているので、まろは事務所ライフ中。
が、今日は仕事のスタッフにもネコアレルギーがいるため、そちらを優先してまろは自宅の方に帰ることになった。
お姉ちゃんはけしてネコが嫌いではない。だのに、まろはお姉ちゃんに全くなついかない。この二人が狭い自宅にいる。何かが起こらないはずがない。きょへー
案の定、仕事の最中に、お姉ちゃんから電話が入る。
「ごめんね。まろがシャーシャー言って、パンチされてトイレに行けないの。出かけなきゃいけないけど、着替えもできないの。仕方がなくて、まろをキャリーバッグに入れてお風呂に入れてあって、このままじゃかわいそうだから、出してあげてほしいの。」
急いで帰ると、まろはお風呂にはいたが、トイレもセットされ、キャリーからはすでに出ていた。しかしシャーシャーふんふんすごい鼻息で私のことまで威嚇する。こりゃお姉ちゃんに手が出せるはずがない。こんなまろをよくキャリーに入れられたもんだ。
聞けば、台所にあったグローブ型の鍋つかみで挑んだところ、偶然キャリーに入ったらしい。そしてお風呂に入れた後、クイックルワイパーの柄を使ってキャリーのロックをはずしたんだと。
仕事終わり次第、速攻まろはまた事務所ライフに突入するのだった....。

かと思うと、夕方事務所に来た初対面のお客さんにスリスリ〜と近寄り、頭まで撫でられた。う〜ん。この差は何なのだ。
母ちゃんは、ただでさえ、「アレルギーの娘がいるのにネコをもらったヤツ」として「鬼の継母」と呼ばれている。(^^;) まろ、たのむ。
 
判決:そりゃ、悪いのは母ちゃんだ。でもね。でもね...。
  

No.89 けろけろ事件 2001/5/27 被告人:まろ
  
いろいろあって、横須賀の家を売りに出すことになった。
たまにしか帰れないのだが、今日は物件を見に来るお客さんがあるというので、夕べから、急遽大掃除である。
「心証は大事ですから、きれいにしておくように」
と不動産屋さんからお達しも出ている。
朝も8時から起きてせっせとそうじに励んだが、約束の11時になっても客は来ない。不動産屋さんに連絡を取ると、ドタキャンされたという。悲しいような気もするが、とりあえずほっとして釣りに出る。
して、戻ると。
和室に一歩足を踏み入れたとうちゃんが絶叫。をう、の〜!!
まろよ、なぜ三年間に2度しかしたことのない毛玉吐きを、「今」、「ここで」するんだーー!それも一番目立つ畳のど真ん中。
これで売却価格は20万円は安くなるような気がする。
 
判決:有罪。20万円分のパートを命ず。
    

No.88 食器かご事件 2001/5/22 被告人:まろ
  
うちの台所には、洗った食器を入れる、ステンレスの食器かごがある。
朝、トイレに起きたかあちゃんはその光景に目を疑った。
そう、その食器かごにまろが入っていた....。
どうか、これが初めてだと言って。(-人-)
 
判決:有罪。今度やったらフライパンでから煎りしてやる。
前科があったら、即!唐揚げ。

No.87 色が変わって合図する事件 2001/5/18 被告人:かあちゃん
  
後ろ足をぴん!と前方に伸ばして足指の間を舐める。
ネコはそんな動作をする動物である。
でも今日は視界の端に写った足指の感じがどうも違う。よくよく見ればそれは濡れて鮮やかな青に変わったトイレ砂だった。真っ白な足の水かきの間に濡れてゼリー状になっちまった砂が張り付いてとれなかったらしい。きたねー。(><)
夢中でティッシュを持って足をむんずとつかむが、まろは私のあまりの剣幕に「何すんだ何すんだ」と必死の抵抗。蹴られて噛まれて傷だらけになりながらやっとふき取る。
これって初めてのこと?気づかなかっただけで、今までも何度もあったのかなあ。うううう。ばっちすぎる。舐めて取ってたの?不憫なまろよ。
 
判決:予期できぬ事態。トイレ砂の研究を命ず。
  
 
No.86 ぢゅんぺい事件 2001/5/5 被告人:まろ
  
母ちゃんの友達一家が遊びに来た。息子ぢゅんぺいは三歳。ネコが大好きらしい。
たいていのネコがそうであるように、まろにとっても、「ネコ好きの子供」は天敵だ。
大人の来客に対してはいつものように、んごんご文句をたれながらも足元にすり寄って反応を見る。ぢゅんぺいは目を輝かせているが、まろは目をそらす。仕方ないので、ガラスドア越しに二人はご対面する。まろは実は警戒心むき出しの表情なのだが、幸いまだ三歳のぢゅんぺいはそれに気づかない。目がハート形になって、その微笑んだ口元からはよだれがつつーっとガラスを流れていった。ひとなでさせてあげれば満足するだろうに、狭量なヤツだ。
慣れてくれば、大人に対しては、「撫でてもいいんだぜ、すりすり〜」てな感じで、腹を見せる。しかしここで「じゃあお言葉に甘えて...」とすると、キッと立ち上がって「あんたなにすんのや」と睨む。これは、まるで話に聞く京都の人々の反応ではないか。(注:こういう京都人はまだ会ったことない。決して非難ではないので念のため。)
いやなら隠れてくれると客人も呼びやすいのだが、今回もまた営業部長は務まらなかった。ぢゅんぺいよ、大人になったらまたおいでね。
  
判決:もっと大人になりましょう。
  

No.85 ドリフト族事件 2001/5/4 被告人:まろ
  
世間では、ドリフト族というのが台頭しているらしい。車のスピードを落とさずにぎゅいぎゅいカーブを曲がるという映画みたいな走りを楽しむ輩のことらしい。
そんなニュース番組を見たのは夕べのことだ。
母ちゃんは横須賀の家で掃除に明け暮れていた。まろはその任務の一つに「ソウジヴァ〜ン」があり(笑)、掃除をしてるとやたら張り切ってくれて、おじゃま虫そのもの。今日も浮かれまくってノリまくって、部屋中を駆け回っている。ビニールカーペットの床は、普段のカーペットと違って触感が違うのが楽しいのか?
むこうの部屋からどどどーっと、時速50km(推定)で走ってきたまろ。残念ながら、ドリフトに失敗。ドアに激突した。激突の音にさらに腰を抜かしてまたむこうの部屋に駆け戻っていったが、そちらではうまくドリフトできたのかどうか....息子を持つ親はいろいろと心配事が絶えないものだ.......。
  
判決:有罪。家内交通法違反。雑巾がけ二十往復。
これで老後の面倒も見てもらえないのだから親は浮かばれぬ。
  

No.84 ヤモリ事件 2001/4/29 被告人:子猫ちゃん
  
横須賀の家にくるのは実は楽しみだった。No75の子猫のかわいこちゃんずに会えるからだ。
さて、おそるおそる窓から外を覗くと!いたいた!子猫(もはや子猫ではないかも)が、ベランダに突進してきた。そして彼は、「おばちゃん、ごはんちょうだい」と言わんばかりに....飛びついてきた。網戸に....。曇りガラスの内側から見える、四つ足のうっすらとした影は、田舎で見たことのあるヤモリにそっくりだった。
  
判決:有罪。網戸の張り替えを命ず。
笑いをとらんでもごはんはあげます。
  
  
 
No.83 春の行楽事件 2001/4/28 被告人:まろ
  
GWである。休みもせいぜいカレンダー通り。金もない我が家としては、横須賀の家に帰ることになった。
ついでに衣替えもしようと、後部座席は衣類を満載する。
まろは、事情を知ってか知らずか、偶然車に乗る直前にう○こをすませてくれて父ちゃんと母ちゃんに激ほめされる。まろは、車に乗って、さあ出かけましょう!と発車するとごそごそと荷室に赴き、トイレを始めるのが常なのだ。途中で車を留め、う○こ拾いをしなければならないわけだ。(小さな密室では、あんな小さなブツであっても大変な臭気を放つ。)それが今日は違うのだからたいしたもんだ。
時間も遅いので道はすいていて、快適なドライブ。高速を降り、料金所の手前まできた時、悲劇は起きた。
高速の出口というのは、ぐる〜んと回転しているものだ。Rがかなりきついのはご承知の通り。
なんとまろは、ここにさしかかったとき、突然トイレに立ったのだ。「どうか小さい方でありますように」と祈ってはみたが、砂の堀り方からして大きい方であることは間違いない。「まろ、揺れるから、あと30秒だけ踏ん張ってくれ〜!」料金を払い終わると、即停車してトイレ掃除を始めた。むむ?いつも、堅めのころころなのに、今日は柔らかめだぞ。むむ?おまけに、ふ、踏まれた跡がある?!「父ちゃん、今すぐまろを捕まえて!」「う"お"ーーーっ。こいつ、足にべっちゃりうん○こついてるぞ」
あとはパニックがスローモーションのように襲ってくる。ワゴン車の荷室から後部座席にあがるのに、汚れた足でそれをしてくれたもんだから、スピーカーの穴にう○こはつまる、冬コートも踏みしめられ...私たちの騒ぎにおびえて、足を拭かれるのをいやがって、ネコキックで防御しようとするのにはホントに参った。これぞう○こキック。おまけに悪いことは重なるものだ。ウエットティッシュは最後の一枚、ボックスティッシュも五枚しか残っていないではないか。
応急処置を施して、「お外見たい〜」「後ろにいきたい〜」というまろを抱え込んでだましだまし家路を急ぐ。「GWは×万人の人出で...」と流れるカーラジオがむなしい。日本広といえども、う○こまみれでドライブをするのはうちだけだ。
  
判決:パニックすぎて捜査不可能。
風呂場に隔離した際にも逃げましたね、あんた。(--#)
  

No.82 障子張り事件 2001/4/22 被告人:まろ
  
越してきて四年。どうせ借家だ、とあきらめていたが、とうとう我慢の限界。すすけた感じになってしまった障子の張り替えを決行する。何分にも狭いので、狭い六畳の床に障子を敷いての張り替えとあいなった。
どう考えてもまろがじゃまだが、閉じこめれば閉じこめたで何かしでかすに決まってる。幸い大きなものが怖いらしく、遠巻きにしているので思い切って作業を開始する。
1 古い障子紙をはがす。お、おもしろいほどつるつるいくな。これなら楽勝。
2 障子の桟に糊を付ける。100円で「障子用」というのを買ってみたがこれがなかなか使える。
3 いよいよ「障子張り」だ。紙をのっけて押さえる。ま、狭いところで大きいものを扱うんだ、多少の不自由は我慢我慢。
4 乾燥待ち。糊を付けすぎたか、時間がかかる。じれったい〜〜〜。
順調に見えた作業がこのじれったい時間中に起きた。
いつも元気な我が家の長男坊が、「勇気を出してやってみるぜ!」と障子の上を駆け抜けてくれた。ああ、恐れていたことが......悲鳴を上げたが後の祭り。どんどんひゃららどんひゃらら。(^▽^;)
涙を拭きながら3に戻る。だが、丈夫にこしたことはない、とポリエステル製の紙を選んだばっかりに、破れない代わりに、しわしわになってしまった。
困ったのはこの後だ。乾きかけると、またまろが勇気を振り絞って障子渡りをしてしまう。ああ、念願の障子張りは窮地。どうにか繰り返すこと二回、ようやく次のステップだ。
5 余分な紙を裁ち落とす。これまた障子張り用カッター。少しまがっちまったがまあいいか。って、待てーーーっ!カッターの動きにそそられたのか、まろの最後のアタック。
---かくしてうちの障子張りは終わった。二枚予定したが、常に開けっ放しなので、見える方の一枚で精根尽き果てた。
多分もう私がまろとむつまじくこの作業をすることはないだろう。
まろも頑張りました。今日は看護婦さんになりました。
  
判決:有罪。壁中につけられた爪の跡。引っ越すときにはこれもできれば自分で張り替えて出ようと思っていたが、全部まろに命じる。
  
   
No.81 花咲じいさん事件 2001/2/17 被告人:上の階の住人
  
久々に横須賀の家に戻った。暮れに見た子猫ちゃんずが気になっていたので、おそるおそる庭を覗いてみる。いない。やっぱり生きながらえなかったか...。後悔の念でいっぱいになる。
さて、翌朝。先に起きた父ちゃんが「おい起きろ、起きろ!」とねぼすけ母ちゃんを起こした。なんとなんと!朝露に濡れた草ぼうぼうの庭の真ん中で、あのこねこちゃんず(No75参照)と大人のネコが身を寄せ合ってくるくる寝ているではないか!ああ、よかった、生きていた。
しかし、それにしてもなぜ庭の真ん中でくるくる??と不思議に思いながら眺めていると、突然空から何かがバラバラと降ってきた。え?え?ネコたちは一斉に跳び起きて、それをがつがつ食べ始めた。うわー。煮干しだよ、煮干し。煮干しが降ってきたよ。
そうか、上の階の人がご飯をあげてくれてたんだ。胸が熱くなった。
が。人んちの庭に煮干しをまく、か。(笑) でも、別に住んでないからかまわない。よかったね、ネコたち。
父ちゃんと母ちゃんは、ことの成り行きを見終わって、私たちがここにいる間だけでも、ご飯をあげようと決めたのだ。
 
判決:無罪無罪。留守中はこねこちゃんずをどうぞよろしく。
  
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