わんぱく捕物帖
 取調官はかあちゃん。
かあちゃんは我が家の「おきて」そのものである。
     
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No.120 まろの冬休み4 2002/01/01 被告人:まろ
  
今年は大きいおばあちゃんが秋に亡くなった。94歳、大往生であったと思う。
11月に、四十九日の法要をしたのだが、恵美ちゃん一家は子供達の流行病のため参加できなかった。笑ってしまうのが、恵美ちゃんのその後だ。
「夢にね、大きいばあちゃんが出てきて、怒って追いかけてくるの。法事に出られなかったからかなあ」
と、付くなりせっせと毎日お線香をあげている。

昼近くなって起き出したかあちゃんに、恵美ちゃんが言う。
「お姉ちゃん。仏壇の湯飲みやお茶碗が転げまくってたよ。」
はいはいすいません。犯人はどうせ私の長男でございます。狭いところが大好きなんでございます。昨夜お仏壇に入っているのを叱りましたので、多分間違いないと思います。
おばあちゃん。ごめんなさいねえ。
判決:有罪。正座して読経を命ず。
ニクキュウのしわとしわを合わせて幸せ。なむ〜。
    No121に続く

No.119 まろの冬休み3 2001/12/31 被告人:まろ
  
目覚めると雪景色だった。久しぶりに見る雪だ。
多少積もってはいるが、北海道出身のとうちゃんがいる。ドライバーには困らないので、退屈しのぎに、まろを残して温泉に行くことになった。
その名も猫啼(ねこなき)温泉。痔に効くというので有名である。子供の頃はばあさんのお供でよく通ったものだ。20年ぶりくらいに訪れるが、その体たらくに肩を落とす。
ま、それはそれとして、一度帰宅。恵美ちゃん一家とばあちゃんを降ろしてとうちゃんとかあちゃんは年越しそばを買いに出た。

少々お茶など飲んで、敷地に車を入れる。すると、ガレージの前を、白いタヌキが走り抜けた。あっ、あれはっ!あの見慣れない生き物はっ!

それは、もちろん家の中では見慣れたうちの白ダヌキだった。(--#) なぜよりによって雪解けの泥んこの中を逃げ回っているのか。ジョンと再会を祝っていたとでもいうのか。
恵美ちゃんによれば
「ドアを開けたら逃げちゃって、捕まえたらオオカミみたいな声で唸ったので怖くて離しちゃった」。
ううむ。さもありなん。恵美ちゃんを責めるわけにはいかぬ。深追いしたら彼女の身が危なかった。
かあちゃんがそばによると、ごろんと腹を出して「お帰り〜遅かったじゃ〜ん」と言う(多分)まろ。腹は立つがかわいげはある。←ばか しかしかわいげはあるが足も匂い立つ。すっかり臭くなってきている。こいつ、帰るまでに、こっぺこぺに汚れそうな予感。
判決:有罪。泥んこの足で、背中を茶色にしたネコに覚えはない。雪のようなココロと体になるまで滝業を命ず。

No.119 まろの冬休み2 2001/12/30 被告人:まろ
  
とうとうこの日が来た。
親戚の帰省が始まるのである。
第一弾は、かあちゃんの妹恵美ちゃんとその子供達である。長女あやなちゃん8歳、次女まやちゃんは3歳。
なぜかかあちゃんとうちゃん以外の人間では、ある意味で、あやなちゃんは、まろのお気に入りの人物だ。だからあまり心配はしない。問題は悪魔の3歳児まやちゃんである。彼女はまろが大好き。それゆえ奇声を発してまろを追いつめるタイプだ。夏にもかなりまろが追いつめられていたので、気がかりだ。
「ばあちゃん、こんにちは〜」
緊張の走る一瞬である。
まろは、縦長に変形し、タテガミを逆立て、弓なりになって迎え撃つ。き、来たっ!気合いを入れなくちゃ!
子供達は、興味津々で入ってきたが、思いの外大人になっており、まろを刺激するようなことがなかった。「子供も成長するのね」としんみりしたのだが、既に戦闘態勢に入っていたまろは、意気込みが空回りしていた。
まだ部屋に入っただけで何もしていないまやちゃんをねらい打ちで、ずずいと彼女に近づき、ネコパンチ!一歩歩くとまたもネコパンチ!「無実の子供をいじめるとは!」とひんしゅくを買うことになる。まやちゃんはこの件ですっかりおびえてしまった。先んずれば敵を制す。少々手荒いがまろの作戦勝ちというところか。
判決:有罪。弱きをくじくオトコは好かん。

No.118 まろの冬休み1 2001/12/27 被告人:まろ
  
さてかあちゃんの実家に帰省したまろ。
まずはやっぱりパトロール。
深夜の東北の民家(特にうちはあばら家)は寒い。冷たい廊下を、呆れるほど念入りにくんくんするのは何のためなのだろう。廊下の次は、かあちゃんの弟の長女(つまり姪)の「めいちゃん」の荷物置き場だ。ベビーベッドのまわりをぐるりと一周したまろはおもむろにかあちゃんを振り返った。
「かあちゃん、ここ臭い」
久々にフレーメンを見た。ラッキー。(なのか?)
判決:おむつがとれる日を共に待とうぞ

No.117 ミッドナイトドライブ事件 2001/12/27 被告人:まろ
  
本日、無理矢理仕事を切り上げて、仕事納めである。
終わり次第かあちゃんの実家、福島へ出発の予定。
まろには朝から「今日はお出かけだから、早めにご飯を食べて、出すモノを出して、時間があったらご飯とおもちゃをまとめておくように」と申しつけるが、帰ると家の中はぐっちゃぐちゃだった。ま、期待する方がどだい無理。
なんだかんだで東京を脱出する。もう21時なので、コンビニで晩ご飯を買い込んで、首都高速へ。あまりの空腹で、おにぎりにサンドイッチ、漬物におでんと山のように食料を買い込む。おでんが我が家の最近のヒットで、おにぎりだけだと味気ないが、おでんのつゆで結構満足感が得られるのだ。
やや渋滞気味の首都高をおにぎりを囓りながら行く一家。まろは荷室(うちはワゴン)のトイレの屋根の上に陣取り、後続車のドライバーに愛嬌を振りまく。夜景もばっちり美し〜い。「まろ、汐留のビル工事はものすごく早く進むねえ」「なー」。「ほら、まろ、あれが世に言うア○ヒのウンコビルだよ〜」「なお〜ん」。ただ、今夜はいつになくおしゃべりなまろが伏線である。
豪華なディナーも終盤。どうも漬物の汁がちゃぷちゃぷ言い始めた。おでんのパックを片手に足元のゴミを整理して、さて漬物を片づけよう。ホントに一瞬だけ膝の上にパックを載せたその時。「ぐるぐるんがっ♪」とおしゃべりしながらまろが助手席にやってきた。普段はいくら呼んでも来ないくせに、なぜ今日だけ?
そして彼は、かあちゃんの膝の上にやってきた。
そしてお約束で漬物のパックを踏んだ。
そしてパックは汁を飛び散らせながらかあちゃんの股間に逆さまに落ちた。

「冷っっっっめたーーーーーーい!(><) くっさーーーーーーーい!(TT)」
まだここは東京、旅は3時間ほど続くと予想される。哀れかあちゃんは、お漏らし同然の格好でドライブを続行。実家について、両親にいらぬ心配をかけるのではないかと不安である。あう。
判決:有罪。実家に着いたらまろをぬか床に拘留。
No.116 ミッドナイトジャングル事件 2001/12/26 被告人:まろ
  
ADSL。今一番ホットな四字熟語の一つ。(違う)
かあちゃんも、いよいよ重い腰を上げるときが来た。
が、せっかくフラスコ型の大きな重い腰を上げたというのに、申し込みからさっぱり進捗がない。予定では、12月早々に開通か?とわくわくしてたのにぃー。あったまにきたので解約してやろうかとも思ったが、解約手数料が5000円だという。なんで私の都合だと解約料が取られて、むこうの仕事が遅くても違約金は取られないんだ?とクレームのメールを入れた途端に、開通予定日が知らされる。そば屋の出前である。むか。
そうしてやっときた開通日25日。せっかくクレームまで入れたが、忙しくて接続どころの騒ぎではない。しかし、開通後10日以内でないとモデムなどのクレームには応じられないと言う。10日と言えば、冬休みまっただ中で東京にはいないではないか。やべっ。慌てて26日の晩に設定開始である。いや、なにが大変かって、うちは、モジュラーコンセントが本棚の裏なのだ。夜中にとうちゃんに手伝ってもらって突如、本棚移動&大掃除とあいなった。6畳間はもう、ジャングルジャングル(by田原俊彦)である。
本棚から本を抜いて持ち上げるが.........重い。見れば、本の代わりにまろがいる。(--#)
さすがに本棚の裏はホコリだらけ。掃除機を持ち出すと、ホコリの上にまろいる。(--#)
モデムを取り出そうとすると箱の上にまろがいる。(--#)
コードを取り出せばじゃれる。(--#)
ジャングルと化した部屋の中を、綿ボコリを身にまとった(元)白猫が、縦横斜め三次元に駆け回って大はしゃぎ。
見かねたとうちゃんがまろを追い回す。(*)
接続を終えて、とりあえず家具を元に戻す。
が、本棚を戻そうとすると.....重い。もちろん、本の代わりにまろがいるからである。(*に戻る)

家中を騒がせ、ご近所にも迷惑をかけてめでたく開通した、ADSL。
ああ快適。今までののろさはなんだったのでしょう。
判決:めでたいので、恩赦。
 

No.115 流血事件 2001/12/25 被告人:かあちゃん
  
話は少し戻る。
事務所から自宅に戻ったまろは、爪がすぱすぱにとがっている。こりゃ爪切り決行である。
まろもご多分に漏れず、爪切りが嫌いである。その昔、とうちゃんに爪を切られたときに、深爪をされたせいと思われる。
我が家の爪切りは、
かあちゃんがまろを抱く→
とうちゃんがまろに戦いを挑む→
まろがとうちゃんを迎え撃つ→

意識が他に向いているうちに、かあちゃんがばちばち爪を切る
といった手順で進められる。
じっとしていれば一分もかからない作業なのに、それを理解できないバカネコのせいで大騒ぎである。さ、あと一本で終わり、という時になってとうちゃんかあちゃんのチームワークが乱れた。
あっと思った瞬間には、どぴゅーっと流血!すまん、まろよ。超深爪。白い毛が血に染まる。ま、思いの外早く出血は止まったのだが。
あ〜あ、バカネコって言ってごめんよ。また次回の爪切りは大変になっちゃうのかな。
判決:有罪。巻き爪の辛さを知るくせに。(ちょっと違うか)
 
No.114 外泊事件 2001/12/11 被告人:まろ
  
まろ、事務所ライフ復活である。ネコアレルギーのおねえちゃんが帰ったからだ。彼女は既に顔を赤く腫らし、体中に発疹が出ている。

前晩、かあちゃんが仕事を終えて事務所を出たのは、1時を回っていた。
「まろ、じゃあまた明日ね。いい子でねんねしなさいね」言い残して帰宅する。

さて翌朝。とうちゃんは先に出社し、かあちゃんが遅れて事務所に着く。すると「おい、まろがいないぞ」。なんだと?どういうことだ?
昨日は段ボールを積んだ荷物の上、天井すれすれのところに潜って遊んだりしていた。
きっとそこに......いない。
じゃあ、棚の上?......いない。
あそこ......いない。
.ここ.....いない。
「まろーっ。まろーっ!まろーーーーっっ!!」.....どこにもいない。
一瞬、なぜか「死」と言う言葉が脳裏をよぎる。半泣きで呼んで、探したって、狭い事務所はもう見尽くした。
とうちゃんが、部屋の外=ビルの中を探し始めてしばらく。
「いたぞー!」

まろは6階(うちは4階)の廊下に座っていたそうだ。
いつ出たのか?夕べは明かりを消した後でドアを開けて施錠した。その隙に?
今朝とうちゃんが出社したときは、手に荷物がいっぱいでドアを開けたときの記憶がないそうだ。
こっぺこぺの真っ黒けになって、ご飯をむさぼり食うまろ。あんなに探したのに、抱っこするのも一瞬とまどうほど真っ黒けだ。この様子から考えると、やはり夕べから室外にいたと思うのが妥当だろう。いつもは逃げても、階段を下りる前に「いいの?まろ、逃げちゃうからね、いいの?」と振り返りながら、逃げるふりをするだけだ。逃げたら分かるはずだ。でもなあ。絶対違うとは言いにくいし。ビルの外には出られなかったのが幸いだった。弱虫ではあるけれど、どんな事情で出てしまうか分からないから.....。
それにしても.....真相は闇の中である。
判決:迷宮入り。もう逃げないでおくれ。(TT)
       
No.113 お食事考 2001/11/23 被告人:とうちゃん・かあちゃん
  
まろの処方食ハンストはだらだらと続く。
食べちゃあいるが、まずくて仕方ないといったところか。
今日もぐずぐず食べ、おまけに、食べてる最中に、皿の中にもどした。(--#)
「そんなにまずいのか」
ととうちゃんとかあちゃんは初めてカリカリを試食してみることにした。
今開いているカリカリは2種類だ。水を用意し、二人で意を決して噛みしめる。
「うまくはないが、こっちは素材の味がする」ととうちゃんは言い、処方食の味気なさを指摘した。
かあちゃんはどっちもまずくてたまらず、処方食に至っては、吐きそう。

まろ、すまん。こんなまずいものを食わせていたのか。いきなり大反省し、「逆に食べないことで体をこわしそう」と言う判断を下した。「好きな食い物+薬」とかの方法はないのか。とりあえず、カリカリを中止して、缶詰にすることに。
まろは缶詰は大好きであるからして、ウエルカムウエルカムの大歓迎ムードを全身で表現する。

この食事を数日あげていたら、まろが何か変わってきた。おいしそうに食事を終えた後、丁寧に丁寧に舌なめずりをし、毛繕いをし、ストーブの前で悟りを開いたような顔で居眠り。ここまでは一緒なのだが、何かが違う。言葉にすると、おっとりした雰囲気が出たという感じだろうか。わしらに対しての態度も「おとうさあん♪おかあさあん♪」と甘えた感じになっている。
「衣食足りて礼節を知る」。そんな言葉が頭をよぎる。たはは
判決:これで元気になるなら結構なのだが...。
 
No.112 八甲田山 2001/11/20 被告人:とうちゃん
  
とうちゃんが今日もトイレ砂を変えてくれた。それはいい。
だが、彼は、トイレ砂を一袋全部入れてしまうのが難点である。せっかくチャックのついた袋なんだから、トイレがいっぱいになったら、途中でやめたっていいわけだ。
まろが肘と膝までざっくざっくと埋まって、場所を探し、用を足す姿は、な〜んとなく「八甲田山」と言う言葉を思い出させるものがある。
判決:有罪。不経済な上に、散らかって困る。猛省を要す。
 
No.111 言い訳 2001/11/5 被告人:まろ
  
昼に、用事があって家に帰った。
いつも、「おかえり、おかあさあん、まろね、ずっと待ってたの〜♪ずっとここで待ってたんだよ〜♪」という顔で、玄関で腹を出している。が、かあちゃんもそうはだまされない。まろはずっと待っているなんてことはないのだ。
案の定、玄関には姿はなく、名前を小さい声で呼んでみたが、出てこない。
ま、いっか。わざとがちゃがちゃ音を立てて、動いてみる。20分ぐらいたっただろうか。ごそごそっと音がして、布団がうごめいた。
出てきた出てきた。へっへっへ
ぼや〜んとした顔で、ぷはーっ!と顔を出し、覚醒するに従って、かあちゃんの存在に気づき始める。そして最後には、「しまった!」と布団からすっ飛んできた。
そしてまた始めるのである。「おかあさぁん〜♪まろ、さみしかった〜。ずっとっずうっと待ってたんだから〜〜♪」
ぼや〜ん
はー苦しかった
えっ?かあちゃん?なんでいるの?!
判決:ま、いいけどさ。見え透いた嘘はおやめ。
 
 
No.110 びぶ朗の災難 2001/11/14 被告人:まろ
  
帰宅が遅くなった。まろは、お腹をすかせてるだろうな〜。
「ただいま〜。まろちゃん、今日は何して遊んだんでちゅか〜?おりこうにちてまちたか〜〜?」
いつものように玄関でごろんばたんと腹を出して、掘り起こされてしまったカブトムシの幼虫のようにのたうち回る、まろ。んもー、大歓迎してくれちゃって♪かわいいヤツだ。
その後は、部屋までわしらの足元にまとわりつきながら駆け込み、「ほら、なぜれ〜〜」と、再びどへっと腹を出す。腹を出すタイミングが早すぎる為、よく踏んでしまうのだが。

しかし、今日はいつもと違った。部屋にはいると、まろが転がらない。なぜなら、その場所がなかったからだ。なぜ場所がなかったかというと、かあちゃんのPC、「びぶ朗」が既に腹を出して転がっていたからだ。哀れ、びぶ朗
おい!なんで、朝はテーブルの上にあったびぶ朗が、カブトムシのように腹を出して落ちてるんだーーっ?!
判決:有罪。新品の調子のいいPCをプレゼントしてくれろ。
             
No.109 続・ハンスト 2001/11/12 被告人:まろ
  
少しずつ現状を受け入れ始めたかに見えるまろ。ご飯の残り
しかし、処方食はやっぱりあまり好きでないらしい。時々、ぜ〜んぜん食べていないことがある。かあちゃんの方がこれには根負け気味。
試しに、煮干しをトッピングしてみた。さすがに煮干しは喜んで食べたのだが.......
処方食(カリカリ)と煮干しの頭はごっそり残された。
判決:有罪。煮干しの頭を残すのはゆるさん!
明日から梅干しを与える。
             
No.108 ハンスト実行中 2001/10/25 被告人:まろ
  
さていよいよ処方食開始である。
丸くてちょっと臭いカリカリ。夕べは案の定数粒しか食べなかったし、腹が減って手を出すだろうと思ったが、朝はほとんど食べていない。
夜になっても、カリカリはちっともへらない。なかなかまろも頑固だ。

夕飯の支度をしていると「かあちゃん、なんかちょうだいよ〜」と甘えてジーパンによじ登ってくる。ふっふっふ。鬼のかあちゃんは何もあげないよ。だいたい、いつもだってそんなことして甘えたって、何かもらえた試しはないはず。まろはこらえきれなくなったのか、かあちゃんの股の間からにょきっと伸び上がって、流し台の引き出しの取っ手にぶら下がりそうになる。下手すれば懸垂くらいはやってのけそうだ。

ふと、食欲がないのか、それとも処方食を食べたくないのか知りたくなった。
試しに、大好物のゆでキャベツを少し与えてみると、瞬時にむさぼり食ってしまった。判定は「わがまま」。はい残念でした。我慢して処方食をお食べ。

余談だが。今日、知人から「まろちゃんにどうぞ」とおいしそうなネコ缶やカリカリをいただいた。すごいなあ、ホタテにいりこ、白身魚だよ。うまそうだよ。思わずつぶやくかあちゃんにとうちゃんは「まろの上前をはねるようなまねだけはしてくれるな」と懇願する。
それにしてもまろはなんて運が悪いんだ。後一日遅く発病していたら。後一日早く頂き物をしていたら。こんなおいしいものにありつけたのに。哀れじゃ。
判決:男なら初志貫徹もいいだろう。
でもね、まろはあと20年生きなきゃいけないんだからね。ほどほどに。
 

No.107 まろ、病院へ行く 2001/10/24 被告人:まろ
  
朝、トイレから上半身を出して、用を足すまろを見た。納得できないまろ
が、出てきてからしきりにシッコの出口を舐めている。トイレを覗くと、シッコボールはできていなかった。ま、たまにはあることだが、あまりにも長時間舐め続けるので、ふと不安になった。かあちゃんは膀胱炎も尿管結石も経験している。「様子見てみれば〜」とのんきなとうちゃんを振りきって、病院に予約を入れる。

病院ではさんざん悪事を働いているので(事件簿No21)、正直言うとあまり行きたくないのが本音。しかしそうも言っていられない。

さて、病院に着き、受付。待合室で他のワンニャンに会うのは、決していい結果を招かないことは過去の通院で承知済み。外で待つこと15分。まろは買って一週間たったパンみたいにパカパカに堅くなって、ブルブル震えていた。まろにとっては、病気よりも怖いのが病院なのだ。少しだけ、後悔が胸をよぎる。

女性3人連れで小さなアメショちゃんを連れてきていた一団が帰ると、ようやく診察室に通された。幸い(?)看護婦のお姉さん二人は二年前と入れ替わっていて、これが、「あの」まろだということには気づいていない様子。へっへっへ。
キャリーに入れたまま、申告して私がエリカラを付ける(まだ看護婦さんよりはかあちゃんの方が抵抗は少ないはずだ)。既にまろは看護婦さんに向かって威嚇の嵐だ。エリカラはようやく首にくくりつけた。先生はまだ電話相談にかかりきりなので、キャリーにバスタオルをかけて待つ。がるるるがるるるると唸るバスタオルの固まり。我が子ながらやっぱり怖い。(^^;)
先生が登場した。「どしたのまろちゃ〜ん」と優しく声をかけてくれる。しかしまろは既に猛獣と化しているので、返事は「シャーッ!がるるるー」。たいそう愛想のない患畜である。
エリカラも着いていることだし、いくらなんでも尻から引き出せばキャリーの外に出せると思ったが、引いても押しても出てこない。それどころか、火事場の馬鹿力でまろは狭いキャリー内をエリカラを着けたままUターンして(!)先生に襲いかかろうとする。こりゃダメだ、となってまたいつもの鎮静剤を打つことに。しかしその注射さえも打つのに大格闘。キャリー内にパンパンにバスタオルを詰め込み、身動きをとれなくしてようやく注射に至る。受付からようやくおとなしくなるまで、とうとう一時間もかかってしまった。
朝ご飯を食べてしまっていたので、エリカラはゲロで汚れ(注射の影響で吐いてしまうらしい)、シッコの病気だってのに、お漏らしもしてしまった。診察台とキャリーの底にたまったシッコの滴をスポイトで吸い集め検査に回す。
尿道にカテーテルを入れるが、詰まっている様子はないという。ただ、ph値は9とかなりアルカリに寄っている。プロテイン値も高い。シッコ中には結晶が出来はじめていた。顕微鏡を覗かせてもらうと、味の素みたいな粒々がたくさん見える。これが結石になる元だそうだ。量は多めだが、幸いまだ結晶が小さいので、処方食でしばらく様子を見ることになった。カテーテルからは酸性の薬剤を入れてもらう。これで中和されて解けることもあるらしい。

せっかくの機会なので、と、鎮静剤が効いているうちに耳の掃除、肛門線を絞ってもらい、爪切り、体重測定、ワクチン接種などフルコースでお世話していただく。目は開きっぱなしで宙を睨んだまま。看護婦さんが「目が乾いちゃかわいそう」と粘度のある点眼薬をさして、手でにょきにょきと瞬きをさせてくれた。
「まろちゃんにとっては、かなり屈辱的なんでしょうねぇ」と先生。鎮静剤が効いていても意識があるそうで、まろはずっと力無く威嚇し続けていた。カテーテルを入れるときや、そこから薬剤を注入するときに、かすかに眉間にしわが寄るのをかあちゃんは見た。(^^;)

先生との雑談の中で「かわいがりすぎちゃって、まろちゃんは自分がおうちで一番偉いと思ってしまってるのかもね」という発言が出た。別にイヤミでも何でもないし、うちの為に言ってくれているのはよくわかる。よく言われるのだが、どうもかあちゃんはは釈然としない。悪いことをしたときは結構きつく叱ってきたし、とうちゃんなんか、超暴力親父である。そこで、何気なく話題を変えてみる。「そういえば元親さんちの猫ちゃんはお見えになりますか?」「そうね、最近は見えてないかしら。そうか、まろちゃんはあそこからもらった猫ちゃんなのね。あそこの猫ちゃんは気が強い子が多かったわ、そういえば。」
よしっ。前に看護婦さんに聞いた話と一致する。少し納得して自己憐憫に浸る。

鎮静作用を解く薬を注射してもらい、会計をすませ、家路につく。醒めきらないまろのよろよろした千鳥足に、涙がじんわりしてくるのを押さえて仕事に戻ったのであった。
クマまろ←べたべたした目薬のせいで目が開かないの。クマもできたの。


さて。仕事をいつもより早めに切り上げて帰宅する。が、室内に一歩入って唖然とした。
上目遣いに見上げるまろの背後には、食いちぎられたカリカリ「猫のお気に入り」の袋と、吐かれてふやけて大きくなった、「『元』猫のお気に入り」がそこら中にぶちまけられていたからである。
うっ。そうだった。キャリーは普段はまろの緊急持ち出し用のカリカリやタオルなどを入れてある。病院に行くときに、それを出したのを忘れていた。ああ、今日から処方食ライフだというのに、しょっぱなから失敗してしまったのであった。
判決:今日は特別。早く元気になろうぜべいべ〜。
そうでないと、本日のお会計20,370円(うち鎮静剤5,000円也)も報われぬ。

No.106 ジャングル事件 2001/10/17 被告人:まろ
  
日曜日に始めた衣替えが途中になってしまった。今まで物置にしていた横須賀の自宅は、片づけてしまったので、もう他に置き場がなくなったのだ。3日間、狭い家に袋に入った衣類がごろごろしている。うっとおしいことこの上ないのだが、まろはどうも違うようだ。
ジャングルの中を走るように、ジャンプして袋を飛び越え、いたずらしては袋の影に隠れ(たふり)、隙間を縫ってクランクダッシュなど、存分に楽しんでいる。
またしてもベッドで読書に熱中するかあちゃんが、不審な音を聞いたのはその時だった。ちゃらりらり〜ん、というその音は、氷がぶちまけられた音だ。
跳び起きてみると、とうちゃんが水割りを用意したまま、トイレにこもっている。案の定、その水割りは、カーペットにぶちまけられていた。
最近、まろがジャンプした拍子に、テーブルの上をたたたっと駆け抜ける姿が目撃されている。前後の行動から察してまろがグラスを吹っ飛ばしたことは明らか。
だのに、とぼけて口笛を吹くまろであった(嘘)。
判決:有罪。酒臭くなった室内をファブ○ーズせよ。
 
             
No.105 転落事件 2001/10/16 被告人:まろ
  
数日、寝不足が続いている。
本を読み出すと止まらなくなるからだ。
やっとこ寝に入ったかあちゃんだが、寝入りばなに「どんちゃらがっちゃん!」という音で目が覚めた。
いったい何事か?!
見れば、ベッド下に、もがくまろの姿があった。本を読む為においてあった、スタンドの上に寝ぼけて落ちたらしい....。
めったにベッドに来ないのに、来たときに限って落ちるヤツ。やはりまろは三の線なのだなあ。あ〜あ。
とうちゃんが起きなかったのは奇跡的。起こしたら大変だったよ〜。
判決:ま、勘弁したる。怪我には気を付けるように。
 
No.104 お裁縫事件 2001/10/5 被告人:まろ
  
かあちゃんは、ボタン付けをしていた。
ほんの少しの時間だし、糸も着いているので、休めた針を、太股の上に離した。
なんだか、視界の端でゆらゆら動く影に気づいたときは遅かった。だーーっとやってきたまろが、太股の上に仮おきした針に「ぱぱぱん!」と目にもとまらぬパンチを繰り広げたのだ。ダッシュアンドパンチ。まろの必殺技だ。
「ぎょえーーーーーーーーーーーーっ!まろーーーーーーーーーーっ!(TT#)」
太股に針が刺さってかあちゃんは泣き叫んだ。おのれ〜、バカ猫!
今思えば、ゆらゆらしていたのは、獲物に向かって尻を振るまろだった。行ったり来たりする糸にずっと興味を持っていたのだろう。ああ...。
判決:有罪。お針子としてアジア方面へのパートを命ず。

No.103 贅沢事件 2001/8/30 被告人:まろ
  
ネコには魚。普通誰もが連想する光景だ。
まろは、どっちかっつーと野菜好きである。魚を食べることはあまりないのだが、最近、少しおいしさに目覚めたらしい。
今夜の晩ご飯のおかずはいわしである。かあちゃんはとってもいわし好き♪イキがいいのがまたうれしい。軽く焼いてむしゃむしゃ食べる。ごちそうさまでした〜と箸を置いてふと思い出した。そうだ、今日はまろにもいわしを食べさせてやろうと思ったのに、すっかり忘れて食べちゃった。仕方ない、残った部分でも喜んでくれるだろう。かあちゃんは、魚は誰にも負けずにきれいに食べる自信がある。ということは、まろが食べられる部分はかなり少ないと言うこと。すまん、まろよ。かあちゃんは腹が減っていたのだ。
せっせとおいしそうなところをかき集めてまろにあげる。まろは心なしか、いつもよりうれしそう。おいしそうにハグハグ言ってる。とーこーろーがー。ぱたっと食べるのをやめた。残されたのは尾びれと、鱗の固まりと、頭の部分である。そして彼は、それらをまたいで立ち去った。ネコまたぎ。まさにそれを体現して見せたまろ。馬鹿者、おまえは平民の子だ。(--#)
判決:有罪。断食道場に一ヶ月修行にゆけ。
 

No.102 誰が役立たず?事件 2001/8/20 被告人:とうちゃん
  
まろは、滅多に吐かないネコだ。
毛玉はほとんどウンコに埋まって体外に排出される。ありがたいことだ。
そんなまろだが、最近たま〜にくえっくえっとやることがある。

かあちゃんは、台所で晩飯の支度をしていた。とうちゃんは、ビールを飲みながらTVを見てぐはぐは笑っていた。まろはとうちゃんに「おつまみ」をもらうべく、そばから離れない。
とうちゃんが何かTVを見ながらかあちゃんに話しかけるが、換気扇が回っていて水を出しているんだから、そんなもんは聞こえない。わざわざ手を止めて「なんか言った?」と部屋に入ると、「おい、この店うまそうだぞ」とか、超くだらない感想を述べるのみ。むきーっ、忙しいんだから話しかけるな。と言うことで最近は聞こえないふり。
だが、今日はまろの「くえっくえっ」が耳に入った。あわてて部屋に行くと、まろがまさにブツを生む瞬間!即座に近くにあった新聞紙を出すが、まろは自ら散らかったチラシの上に移動して、けろっとやった。
とうちゃんが「偉いぞまろ!たいしたもんだ!」と激褒め。だがかあちゃんは知っていた。まろはすでに一つ、吐いていた......。とうちゃんは横にいながらそれに気が付かなかったのだ。「とうちゃ〜ん。まろ、吐いたのに気づかなかったの?」「え?そうなの?」そうなの?じゃねえだろっ。
判決:有罪。おまえはちっとも偉くない。

No.101 ホントは一人がいいぞ疑惑 2001/8/19 被告人:まろ
  
一泊だけ、父ちゃんと母ちゃんは京都にロケハンに出かけた。
まろは福島から帰ったばかりと言うこともあり、お留守番。これで一人っきりで一泊お留守番は2回目だ。
念のため、カリカリは、実際の回数より多く入れて出かける。
普段のまろは、ああ(どう?)見えて意外と食が細い。狭い家で寝てばかりいるせいか、フードに添付されている標準摂取量よりかなり少ない。毎食毎食、ちゃ〜〜〜んと残すので、母ちゃんとしてはちょっと腹に据えかねているところだ。
しかし。帰宅してみると、お皿にてんこ盛りだったカリカリは、きれいに平らげられていた。おかしいなあ。いったい、いつ、どれくらいずつ食べてるんだ、こいつは。なぜ普段は食べないのだ。
まさか..............母ちゃん達がいると食欲がなくなる........?ストレス?じゃまってこと?本当は一人暮らししたいって事?
そんなあ。ち、違うと言って。(子離れできない母であった)
判決:ま、食べないよりいいので一応無罪っちゅうことで。
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